日々楽書~針小棒大~

くだらない事を宇宙規模で

何よりも下らない大人

若者の乗り物ばなれ 

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 若者が自動車に乗らなくなっている。

 バブリーな世代を生きてきたオッサン&オバハンたちは口を揃えて言う。
 「最近の子は車に乗らへんからねぇ~。」と。
 

 一昔前は社会人になったら、お金ができたら、車を買うのが当たり前で、なによりもまず、”マイカー”を持つ事が生きる上でとても重要なことだったようだ。
 ボクもまぁまぁ、若者な方なので、車に対しての執着心はさほど高くない。サーフィンが趣味なので、持たざるおえない。というのが正直な所で、サーフィンをしていなければ、おそらく”ノーマイカー”だろう。
 

 ボクらの世代、二十代後半~三十代前半は、この国のイケイケ時代を知らない。
 ディスコで踊り倒し、ビルの屋上から札束をばらまく。そんな時代はボクらにとって、恐竜達がいた白亜紀と、なんら変わりないのである。
 物心ついたときから、なんだかこの国には”アカン雰囲気”が漂っているのを肌で感じて育ってきているボクら。高級車を乗りまわすや、デートと言えば車。というようなバブリーな感覚はそもそもなく、基本ゴージャスに冷めている。
 ボクらの世代ですら、そんな感じなので、これが十代や二十代前半となると、さらに状況は別次元となっている。
 

 我が社に最近入社した、二十歳のアルバイト君と、会社の前に停めてある自転車の移動作業をすることになった。つい先日の話である。
 念のため言っておくが、”自動車”ではなく”自転車”である。
 

 5台ほど停めてある自転車、わずか5台だが、オーナーいわく、邪魔らしい。
 アルバイト君に、移動させる場所を指示するボク。
 仕事は他に山ほどある。こんなことはさっさと終わらせたい。
 アルバイト君が言う。「これ、どうしたらいいんすか?」
 指さしたのは自転車のスタンドである。
 「いや、どうしたらって・・スタンド上げたらいいねん。」
 「ど、どうやって上げるんですか?」
 「いや、だから、フツーに上げたらええねん!!」
 アルバイト君の真剣な表情をみて、これはボケではないということに気づくボク。
 アルバイト君は言う。「オレ、自転車乗ったことがないんで・・・。」
 「マ、マジか。お前・・・。」
 

 まさかのチャリンコばなれ。車どころの話ではない。
 若者は、車どころか、チャリンコという乗り物からも離れていっているらしい。
 

 まぁこいつは極端な例で、ほとんどの奴がチャリンコぐらいは乗っているだろうけど、スタンドの上げ方すら知らない若人を見て、普段、口に出さぬように心がけている言葉を思わず呟いてしまった。
 「最近の若い奴は・・・。」
 こういう言葉を吐く大人は何よりも下らない。
            aloha shigeru!!!