昼前にたたき起こされたボク、行き先は焼肉屋
寝だめは阻止された
まだまだ寝たいモードのボクに、オカンが声をかける。
「焼き肉食べに行くで!!」正確には焼き肉ランチを食べに行くようだ。時刻はまだ昼前。仕事が休みの本日、ここぞとばかりに寝だめを決め込んでいたボクは、オカンにたたき起こされる形で上半身を起こした。
昼前まで寝ていたので、確かに腹は減っているものの、寝起きで焼き肉というフレーズを叩きつけられ、胃袋は焼き肉を許容できるような状態であるわけがない。
確実に罵声が飛んでくることを覚悟しながら、もう一度寝転がる。
と、ほぼ同時に、「お父さん準備万端やねん!!」レスポンスがあまりに早い。「知らんがな・・・。」心でつぶやきながらも、このままでは、オカンが発狂しかねないので、もう一度起き上がり、とりあえず服を着てみる。
ほぼ、寝間着レベルのTシャツにジーパン、後ろポケットにスマホとタバコをねじ込み、一階へ降りた。
オトンはすでに玄関のあたりをうろつき、やっと起きてきた30過ぎの息子に「焼き肉やぞ!!焼き肉!!」とテンションがやたら高い。
オトンは最近、契約社員として働いていた、印刷会社を、”腹立つ奴がおる!!”という、なかなかヤングメンな理由で退職し、立派なフリーターとしてフラフラしている。
顔を洗い、寝癖を直して、外へ出た。
日差しが肌を照りつけ、季節が確実に夏に向かっていることを感じさせられる。そう言えば、天気予報で、明日は夏日だとキャスターが言っていたような。
焼き肉屋までは徒歩10分。オトンとオカンは、健康のために徒歩を選択。ボクは健康には後ろ向きなタイプなので、すかさずチャリンコに乗り込む。
焼き肉屋の前で、無事に合流。
店の前には”焼き肉ランチ”の旗がデカデカと、いい感じにそよ風になびいている。
入店して、席に通され、三人とも同じランチを注文。
ボクとオトンは、もちろん昼から生ビールだ。
肉が数種類と野菜が少々、キムチに白ご飯、スープが付いて1600円。
胃袋は10分前とは打って変わって、焼き肉モード全開である。
日の明かりがある内に、食べる焼き肉と、流し込むビール。
映画館を出て、外がまだ明るかったら、なんだか違和感を感じるが、それと似ている気がした。
昼から満腹になり、ほろ酔いで店を出る。チャリンコに跨がり、飲酒運転で自宅に向かう。
オトンとオカンはマクドでお茶をして帰るらしい。
雲一つない青空の下、大通りを満腹にほろ酔いで、ペダルを漕ぐ。
この辺りはいつも通りだ。郊外独特の、程良い賑やかさ、多すぎることのない人々が道を行き交う。
叩き起こされたおかげで、一日が長い。
さて、何をしようか。
これから出来ることに無限を感じ、とりあえず自宅に戻るボクだった。
aloha shigeru!!!