echo
タバコ界のレジェンド
echoというタバコを吸っている。
ご存じだろうか。
愛煙家の皆さんならすぐにイメージが浮かぶだろう。
あの控えめオレンジのパッケージと、遠慮がちな小さな箱を。
しかし、見た目のチープな雰囲気からは想像もできない、その威力。
タールは15mg、ニコチンは1.0mgと身体をむしばむには、他のタバコよりも確実に一歩リードしていると言えるであろう破壊的数字。
吸い続けると、人差し指と中指が黄色く、ヤニの色で染まってしまう。
とにかく、身体に悪い事この上ない品物なのだ。
私がこのタバコを吸いだしたのは、約3か月前、理由は一つ。経済的だから。
他のタバコが400円からするところを、このecho、なんと驚きの250円。
たばこ税が値上げされ、ほとんどのタバコが重体と言えるダメージを受けているにもかかわらず、このechoにはかすり傷ほどのモノでしかないだろう。
もちろん、echoだって値上げされている訳だが、それでも250円、こんな財布に優しく、身体に厳しいタバコが他にあるだろうか。わかば*1もあるけれど、それは置いといて、今日はechoのお話し。
故に私はechoを吸うのだ。
echoは私のような、己の経済状態が危機的状況にある人間と、段ボールの家を発明された、ホームレスの方々に特に人気がある。
数日前、コンビニでタバコを購入しようと列に並んでいた時、私の前にはホームレス風の人がお一人、その方がechoを購入された。
私は、目の前でホームレス風の人が「echo一つ。」と言ったのを聞いて、怖気づいてしまった。
世間ではホームレス=echoという図式がある程度出来上がっており、私のようなそこそこ若く、家も職も一応ある人間がechoを購入するのは、正直イケてない。
経済的危機を露呈すると同時に、それでもタバコを止める事の出来ない、意思の弱さまでバレテしまう。
怖気づいた私の口から発せられた言葉は「LARK*2一つ下さい。」だった。
echoよごめん、いつも頼りにしているあなたを、本当は少し恥ずかしいと思い、吸っていることを、隠したのだ。
なんとも、情けない思いで、LARKに火をつける。
なんと軟弱な、パンチのないタバコだ。
もっとこう、ガツンと肺に効く感じはないのか。
その後、別のコンビニで謝罪の意味を込めて、echoを二つ購入したのだった。
aloha shigeru!!!