「大人ってアホですよ。」子供が言うんだから間違いない
野球少年の言葉を今でも思い出す
ピッチャーとして、とても優秀な野球少年と話をした記憶がある。
小学生にしてMAX120キロ、コントロール抜群、しかも左腕ときた。
小学生の日本代表にも選出されており、将来を有望されることが彼の宿命と言っても過言ではないような才能の持ち主だった。
とても真面目な少年で、賢い子供だった。
当時、小学五年生、小学生にしては、少し言葉を知りすぎているな、と思うほどに、大人との会話が出来てしまう、そんな野球少年だった記憶がある。
この野球少年が言った言葉は、今の私にけっこうな影響を与えていると思う。
たまに思いだし、自分の行動を少年の言葉と照らし合わせる癖がついているし、それによって行動そのものを振り返る夜すらあるからだ。
「大人ってアホですよ。」
不意に言われて、返す言葉がない。ないと言うよりは、適当な返しは出来ないと感じさせる、鋭さのある言葉だった。
「な、なにが?」たしか、こんな風に聞き返したと思う。
少年が言うに、野球が上手いというだけで、金を積んだり、握らしたり、そんな大人の裏のやりとりがあるようだ。
そんな大人達の行為を見つめた結果、出た言葉。
親が、我が子を有名なチームに入れるため、もしくは監督がチームに優秀な選手を入れるため、裏で金が動く。
何かを強固なまでに遂行しようとした時、大人のやることは決まってこれなのだ。
子供を中心に周りを取り囲む、大人達の行為。
気が付けば、中心にいるのは大人である。
そこに子供はいない、そして本人の意志もない。
子供は少し離れた場所から、恐ろしいほど冷ややかな目で、大人達の行いを見つめている。
そして、その目は真を貫いている。
そういえば最近、ミュージシャンの甲本ヒロトのインタビュー動画を観た。
「やりたいことには、やらなきゃいけないことがくっついてくる。」
「子供はやりたいことがあっても、やらなきゃいけないことが自分で出来ないから、自由がない。大人にはやらなきゃいけないことをやる力がある。だからやりたいことが出来るんだ。」
ただでさえ、自由のない子供達に、さらなる足かせを付け、自己満足に浸る、愚かな大人達。
子供達が大人になり、自由を手に入れる、その日まで、大人達の身勝手に負けないことを切に祈る。
aloha shigeru!!!