日々楽書~針小棒大~

くだらない事を宇宙規模で

国民的アイドル”能年玲奈”とお付き合いすることになりました 

引きずる思い、現実を認められない 

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 久しぶりに心からガッカリした。

 こんな時、一日のモチベーションを取り戻すのには、時間がかかる。
 すでに昼過ぎだが、今だに現実を直視できず、落胆が心の大半を占めている。
 ぼんやりと霧がかかったかのような、目の前の景色をクリアにしたくて、冷水で顔を洗う。
 あまり効果は感じられない。
 心のくぼみがあまりにも深いからである。
 現実と正面から向き合えるのはおそらく、夕方あたりになるだろう。
 間違いない。

 

 真っ白な部屋の中で、とても美しい女性と二人きりで向かい合っている。
 相手の女性は能年玲奈である。
 言わずと知れた、国民的アイドルだ。
 透き通るような白い肌と精密に計算されて、作られたとしか思えない、端正な顔立ち、テレビで観るよりも実物の方が数倍、可愛い。
 そして、この能年玲奈は私のことが好きだ。
 理屈ではない。目をみればわかる。
 そしてもちろん、私も能年玲奈が好きである。
 つまりは両思いなのである。
 お互いの気持ちを知りつつも、言葉にするのはとても怖い。
 意を決して、思いを伝える。
 能年玲奈は笑顔のままで、静かにうなずいた。
 私は心から幸せな気持ちになり、空高く舞い上がるのを必死でこらえ、奥歯で幸せをかみしめた。
 国民的アイドルが私の彼女になった瞬間であった。

 

 そこに能年のお兄さんと名乗る男が登場。
 妹のことを、よろしくお願いしますと言われ、私も恐縮しきって頭を下げる。
 能年兄は帰り道が危険だからと、私を送ってくれるらしい。
 なぜだか、二人して電車に乗り込む。
 二人で並んで座り、無言の時間が流れる。
 気まずいな、何か喋らないと、そんなことを考えていたら、実家の最寄り駅に到着。
 
 能年兄に見送られ、駅のホームに降り立つ。
 これからは、彼のことをお兄さんと呼ばなければ、そんなことを考えながら振り返ると、ホームの真ん中に大きなキリンが一頭。
 とても大きくそびえ立ち、おそらくキリンの中でもかなり大きな部類なのだろう。
 おそらく、このキリン”自分のほんとう居場所がどこなのか”それを探す旅の途中なのだろう。
 そんな風に思った。
 そして、目が覚めた。

 

 スマホのアラームで、夢から引きずり出され、いつもの朝を迎えた私。
 枕に顔をうずくめ、あまりに幸せな夢を恨む。
 早すぎる、能年との別れ、ありきたりな言葉で表現するなら、胸にポッカリと穴があいたようである。
 
 現在、PM3時。元彼女、能年を思いだし、仕事が手につくはずもない。
            aloha shigeru!!!